生活困窮のピンチの時に
お金がなくなってどうしようもなくなったとき、まず初めに気をつけてほしいのは冷静になること。
これが本当に難しいんです。
まずは落ち着いて、深呼吸してください。
日本には幸い、そういう人たちのための支援制度がちゃんとあります。
絶望するにはまだ早いです。
お金がなくなって一番最初に失うのは心の余裕。
心の余裕はお金の余裕です。
一つ一つ確認していきます。
ライフラインの確保
まず初めに、この現代社会でサバイバルするのに、可能な限り確保していただきたいものがいくつかあります。
優先度の高いものからご紹介しましょう。
①通信手段と電源の確保
これは、何もかも失ったとき、SOSを求めるためにあった方が絶対にいいアイテムです。
誰かに助けを求めに連絡するのはもちろん、どこに相談に行けばいいか、食べるもの、寝る場所、そういったものをどこで得られるのかを調べるのに使えます。
無料の生活相談、宿泊施設、食堂、食料や日用品の配布など、支援団体が生活困窮者向けに全国でいろんな活動をされています。
www.npomoyai.or.jp
また、今の時代に通信手段がなくなると、わりと簡単に社会から断絶されてしまい孤立します。
社会的にも精神的にも、孤立は可能な限り避けてください。
心に余裕がないときに一人になってはいけません。
絶対に誰かに連絡して繋がりを断たないようにしてください。
スマホを充電する場所の確保も重要です。
バッテリーが切れたスマホは何の役にも立たないので。
最近はカフェなどに無料で充電できるところがあります。
『無料 スマホ 充電スポット』に地域名をつけて検索してみてください。
※有料のところもあるので調べてね!
②住まいの確保
住居は失わないに越したことはありません。
何をするにも手続きに必要なのは住所と電話番号です。
これを一度失うと、再度得るのに相当な苦労を要します。
行政の『住居確保給付金』という制度を利用するなどして、可能な限り生活拠点を守ってください。
生活保護申請における水際対策の報道などで、いきなり役所に行くのは不安に感じる方もいらっしゃると思います。
そういう時はまずお近くの非営利団体を探し、相談してみてください。
あなたの状況に合った解決方法を一緒に考えてくれます。
プライバシーは守られますし、無料で相談できます。
どんな制度があるのか、どんな支援を受けられるのか教えてくれます。
税金の相談ではありますがわたしが行ったところでは、親身になって長時間にわたり話を聞いてくれて、アドバイスしてくれました。
住居を失う前に、まずは相談に行くことをおすすめします。
『非営利団体 生活困窮 相談』または『生活困窮者自立支援』に地域名をつけて検索してみてください。
生活困窮者自立支援制度における相談窓口はこちらでも調べることができます。
もし住まいを失ってしまったら、誰でもいいので頼ってください。
家族など長期で頼れる身内がいるなら、かっこ悪くても恥ずかしくても頼ってください。
日本は比較的治安が良い国とは言え、野宿するのはリスクが伴います。
女性や未成年者であれば尚更、危険性は高まります。
野宿の選択は避け、相談できそうな友人知人がいるならひと晩くらい泊めてもらってください。
多少お金があるなら、仮眠スペースのある入浴施設やネットカフェなどが使えると思います。
一人で解決しようとしないでください。
絶対に無理をせず、しかるべきところに早めに相談してください。
助けてくれる人が必ず見つかります。
③電気ガス水道
住居の確保ができているなら、次は電気ガス水道です。
電気とガスは滞納するとわりとすぐに止められます。
水道は結構待ってくれますが、いずれ止まります。
[請求書→督促状→停止]の順です。
督促状に支払い期限と、それを超えたらどのくらいの期間で停止するかが書かれていると思うので確認してみてください。
電気が止まるとほとんどのことができなくなります。
冷蔵庫、洗濯機が使えなくなるとかなり生活の質が落ちます。
住まいの設備がオール電化なら尚更です。
気候変動の影響で、夏はますます暑く、冬は極端に寒く、二極化してきていて、春秋がなくなってしまいました。
真夏や真冬に電気が止まり空調機器が使えなくなると、場合によっては命の危険があります。
また、給湯器が電気制御のところもあります。
うちがそうです。
電気が止まると給湯器のスイッチが入れられなくなり、ガスがあってもお湯が使えません。
お湯が使えなくなると夏場は何とかなっても、冬は厳しいです。
キッチンのコンロが電気のところも増えてきていると思いますが、電気、またはガスが止まると自炊できなくなります。
お弁当やお惣菜を買うより自炊をした方が節約になる点から、お金がないときにガスが止まると食費が高くなり、ますます困窮度合いが加速してしまうことに繋がります。
最後の水道は、言わずもがな命に直結します。
日本の水道水は飲めますからね。
水が得られなくなると飲み水の確保が難しくなるばかりか、トイレの問題、手も洗えない、お風呂にも入れなくなるのでたちまち衛生面に支障が出てきます。
ここを止められるまでに、何とかお金を工面する方法を考えてください。
支援制度を利用する
人にお金を借りるとトラブルになりやすく、信頼関係が犠牲になります。
金融機関にお金を借りるのも、返す目処が立っていなければそのうち自分の首が締まります。
働いたり、不用品を売るなどしてお金を得られればいいですが、中~長期の困窮が予測されるなら、支援制度を利用することも視野に入れてください。
日本には生活保護制度のような、さまざまな支援制度がありますが、基本的に自己申告制です。
どんな支援制度があるのか知らない人も多いです。
めっちゃ不親切ですよね。
そう思った人がこんなサイトを作ってくれています。
compass.graffer.jp
簡単な質問にチェックをつけるだけで、どんな支援があるのかザックリ教えてくれます。
また、先に紹介した非営利団体に相談するのが最も的確なアドバイスがもらえるので、わからなければまず相談に行ってください。
自助には限界があります。
頑張れなくなったことはあなたのせいではありません。
共助・公助を最大限に利用して、自分の命を守ってください。
国民の権利としてあるものです、権利を行使してください。
すべての国民には生きる権利があります。
健康で文化的な最低限度の生活は、憲法により保障されています。
自分を責めたりせず、必ず生き延びてください。
心と体の健康を最優先
どんな理由で困窮するか、理由は人ぞれぞれ。
ある日突然、事故や病気で体に障害が残って今までどおりに働けなくなるかもしれません。
日々のストレスが蓄積し、ある日突然心が決壊するかもしれません。
ある日突然、職場が倒産してしまうかもしれません。
ある日突然、災害によってすべてを失うかもしれません。
いつ、何が起きるかなんて誰にもわからないし、予測できません。
努力しなかった自己責任?
そんな事を言う人は、問題の本質を何もわかってない、幸運に恵まれた無知な人です。
放っておいてかまいません。
自分の身に降りかかるその時まで、きっと理解できない人種です。
あなたが気にかけてあげる価値もない人です。
忘れてOK。
体の健康も、心の健康も、同じくらい大切です。
しかしながら心の健康については健康診断などで目に見えてわかるようなものではないので、気をつけていても知らず知らずに病んでいってしまうものです。
まずは心を健康な状態にしてください。
受けられる支援はすべて受けて、心の健康を取り戻すことを最優先にしてください。
どんな状況であろうと、心が健康でなければ始まりません。
『自立支援医療制度』というものもあります。
精神疾患や障害で働けなくなった人の医療費負担を軽減する制度です。
こういった制度もあるということ、知っておいてください。
何度も言いますが、つらい時こそ一人になってはいけません。
必ず誰かと連絡を取り合ってください。
難しければネット上の知らない誰かでもかまいません。
会話に内容なんてなくてもいいんです。
誰かと繋がっている、そういう実感を持っていてください。
その繋がりが、社会に戻るための道しるべになります。
一度孤立してしまうと、社会の輪の中に入っていくのに相当な勇気が必要になるため、復帰に時間がかかる可能性が高くなります。
つらい時だからこそ誰かと繋がっていてください。
[死にたい]=[生きたい]です。
死にたくなるほどつらいことが消えてなくなってしまえば、死にたい気持ちも消えるんです。
死にたい気持ちは生きていたい気持ちと同じ源流にあります。
こころの相談、よりそいホットラインなど、無料で話を聞いてくれる電話相談やチャット相談などもあったりします。
www.mhlw.go.jp
どうしてもの時はここに電話やLINEをしてみるのも手ではあります。
わたしも以前に利用したことがありますが、いつもかなり混み合っていて、必ず応対してもらえるとは限りませんでした。
電話が繋がらない、チャットの返信がない…
切羽詰まった時にそうだと余計につらく感じたりもします。
本当にどうしようもなくなってしまう前に、勇気を出して誰かに相談するようにしてみてください。
身近な人に話せない場合、大抵は予約制ですが無料面談もあります。
話を聞いてもらうだけでも心が楽になりますよ。
わからなければまずは非営利団体の無料相談に電話する。
これだけは覚えておいてくださいね。
いかがでしたか?
知ってる事ばっかりで詰まらなかったでしょうか。
わたしがこれから発信していく予定の情報は、住居とライフラインが確保されているところからのスタートとなります。
でも、これだけはどうしても最初に書いておきたかったんですよね。
ハウジング・ファーストという言葉があるくらいで、まずは住居。
安全な私的空間を確保することは人間にとって必要なことです。
まだまだセーフティーネットが充分に行き届いておらず、もどかしさを感じることも多い日本の社会保障制度。
支援制度の前にそもそも社会設計に問題があったりもして、悩ましいところです。
本人の努力とは何の関係もないところで、パンデミックや戦争が起きたりして大きな影響を受けてしまう。
そんな現実をわたしたちはこの数年で目の当たりにしました。
日本は地震の多い国ですし、気候変動による自然災害などで、これからますます困窮する方々が増えると予想されています。
いつ・どこで・誰に・何が起きても不思議ではないのです。
『そう言えば前にそういう記事読んだな』と、万が一の時に思い出して、調べるきっかけになりますように。